のこさず食べよう!フードロスってなに?地球を笑顔にするヒント
「もったいない」という言葉は、私たちの暮らしの中で古くから大切にされてきた心です。特に、食べ物に対しては、この「もったいない」の気持ちを子供たちに伝えていきたいと願う方が多いのではないでしょうか。今回は、食べ物を無駄にしないことの大切さを、フードロスという視点からやさしく解説し、ご家庭や地域で実践できる具体的なヒントをご紹介いたします。
フードロスってなあに?
フードロスとは、まだ食べられるのに捨てられてしまう食べ物のことを指します。世界中で、そして私たちの日本でも、たくさんの食べ物が毎日捨てられています。例えば、スーパーマーケットやコンビニエンスストアで売れ残ってしまったもの、飲食店での食べ残し、そしてご家庭で賞味期限が切れてしまったり、食べきれずに残ってしまったりしたものもフードロスになります。
日本では、国民一人当たり毎日お茶碗およそ一杯分のご飯の量に相当する食べ物が捨てられていると言われています。これは、決して少ない量ではありません。せっかく大切に育てられ、作られた食べ物が、私たちの食卓に届く前に、あるいは届いた後に捨てられてしまうのは、とても悲しいことですね。
どうしてフードロスは地球にとって良くないの?
フードロスは、ただ食べ物を捨てるだけのことではありません。地球の環境にも、大きな影響を与えてしまうのです。
まず、食べ物を作るためには、たくさんの水や土地、そしてエネルギー(電気やガソリンなど)が使われています。例えば、お米を作るには田んぼに水を張り、肥料を与え、大切に育てます。野菜や果物も、農家の方々が手間暇かけて育てています。お肉や魚も、育てるのに多くの資源が必要です。これらが捨てられてしまうと、そのために使われた大切な資源もすべて無駄になってしまいます。
次に、捨てられた食べ物は、ゴミとして処理されます。多くの場合、焼却されたり埋め立てられたりしますが、この過程で地球温暖化の原因となるガスが発生することがあります。地球温暖化が進むと、気候変動が起こり、私たちの暮らしや自然環境に悪い影響を与えてしまいます。
食べ物を捨てることは、まるで、せっかく育てた宝物を捨てているようなものです。私たちが食べ物を大切にすることは、地球の資源を守り、地球温暖化を防ぐことにも繋がるのです。
家庭でできる「フードロスを減らす3つの魔法」
では、私たちは日々の生活の中で、どのようにフードロスを減らしていけば良いのでしょうか。ご家庭で実践できる、簡単な3つの魔法をご紹介します。
魔法1:買い物上手になろう!
- 必要なものだけを買う工夫: スーパーマーケットに行く前に、冷蔵庫の中身を確認し、今ある食材で何が作れるかを考えてみましょう。そして、一週間分の献立を大まかに決めて、必要なものだけをリストアップして買い物に行くと、無駄買いが減らせます。
- 「手前取り」を意識しよう: お店で商品を選ぶ際には、すぐに食べる予定のものは、消費期限や賞味期限が近い、棚の手前にあるものから取るように心がけてみましょう。これはお店にとってもフードロス削減に繋がる良い行動です。
魔法2:料理上手になろう!
- 食べきれる量を作る工夫: 家族の食べる量に合わせて、料理の量を調整しましょう。少し足りないかな、と思うくらいの方が、食べ残しが少なくなります。
- 余った食材を使い切る工夫: 残った野菜の切れ端をスープの具にしたり、カレーやシチューの材料にしたりと、工夫次第で美味しく使い切ることができます。例えば、大根や人参の皮もきんぴらにしたり、炒め物にしたりするご家庭もあります。
- 正しい保存方法を知る工夫: 食材の正しい保存方法を知ることも大切です。野菜は新聞紙に包んで冷蔵庫に入れる、肉や魚は小分けにして冷凍するなど、それぞれの食材に合った保存方法で鮮度を保ち、長く美味しく食べられるようにしましょう。
魔法3:残さず食べよう!
- 「もったいない」の心を大切に: 食卓に並んだ食べ物は、すべて誰かが手間暇かけて作ってくれた大切なものです。一口一口味わって、感謝の気持ちを込めていただきましょう。
- 食べきれない時は保存を: もし食べきれない量が出てしまった場合は、無理に食べずに保存容器に入れ、次の食事で美味しくいただく工夫をしましょう。
- 外食時も考えて注文: お店で食事をする際も、食べきれる量を注文することが大切です。小さめのサイズを選んだり、友人とシェアしたりすることも良い方法です。
子供たちと楽しく学ぼう!フードロス削減アイデア
これらの魔法を、子供たちと一緒に楽しみながら実践してみましょう。
- 一緒に買い物リスト作り: お子さんと一緒に献立を考え、何を買うべきか、紙に書き出してみるのも良い経験になります。「これは本当に必要なものかな?」と問いかけることで、自分で考える力が育ちます。
- 家庭菜園に挑戦: ベランダや庭で小さな家庭菜園を始めて、野菜やハーブを育ててみるのはいかがでしょうか。自分たちで育てた作物を通して、食べ物ができるまでの大変さや、命の尊さを肌で感じることができます。
- 残り物アレンジレシピコンテスト: 余り物を使った新しいレシピを家族で考案し、発表会をしてみるのも楽しいでしょう。「冷蔵庫に残っているもので、どんな美味しいものが作れるかな?」と、創造力を刺激します。
- 地域のフードバンクについて知る: もしお住まいの地域にフードバンクがあれば、その活動についてお子さんと一緒に調べてみるのも良い経験になります。食べきれない食品を必要としている人に届ける活動があることを知ることで、社会貢献への意識も芽生えるかもしれません。
まとめ
フードロスを減らすための小さな工夫は、私たちの暮らしを豊かにし、地球をより良い場所に変える大きな力になります。「もったいない」という温かい心を次の世代へと伝え、子供たちと一緒に、地球にやさしい食生活を楽しみながら実践していきましょう。一つ一つの行動が、地球の未来を明るくする大切な一歩となるはずです。